オリエンテーションでプロジェクトのアウトラインを作っていく際に、「納期までの時間は適当でいいから」、「予算は決まってないから一般的なものでいいよ」、「とりあえず通販ができればいいよ」などとお客様からご意見を頂戴することがあります。

その曖昧な言葉で「とりあえず」発注し、制作サイドも曖昧な理解で「とりあえず」受注し、どこに向かうのか分からない案件がオロオロしながら歩き出している事例を見ることもそれほど少なくありません。

お客様としては私たちの業務が見えない部分が多いので、ホームページの改善の必要はわかっていても、何をどのように伝えればいいのかわからないから結局あいまいになってしまうことは珍しくない光景です。そのこと自体お客様は何も悪くありません。

その為に私たち、ディレクターがいるわけでお客様のホンワカしたイメージを見える化することで、行うことと行わないことを文書化することです。

お客様のおっしゃる「適当な時間」から「必要な時間」へ、「一般的な予算」から「本当に必要となる予算」へ、「とりあえず通販」から「どのような通販」と、それぞれの要素のニーズを明確にし、各到達点を決定する必要があります。

実際決定から反れ、「時間」が伸びればスタッフの投入が必要になり余計な人件費がかかります。スタッフの投入ができないなら品質の低下は免れません。

「資源」の変動が生じれば予算やスケジュールに影響します。

実装着手後に「やっぱりあっちのほうが‥」「先日承認した件ですが、実は上司にはまだ連絡してないので‥」など決定後の変更は大掛かりな手戻りが生じ、当然スケジュールやスタッフ、費用への影響もでます。

正論で行くなら「お客様のおっしゃるそのご要望は今回の案件の枠外の事ですので対応はいたしかねます。」と言うことになってしまい、制作側も発注側も、ふにおちない案件で終わってしまうことになります。

このような終わり方をすると、このクライアントと制作会社の付き合いは、以後まずあり得ないでしょう。

  • 時間
  • 資源
  • 品質
  • 線引

デザイナーさんがディレクションを行う場合も少なくないと思います。最低この4つは明確にし、両者合意の下でスタートしないと、しまりの無いグダグダ案件になってしまいます。

By komatsu

One thought on “見切り発車”
  1. 『文例集では書けない超速 ビジネス文書作成マニュアル』

    この本はちょっと驚いた。 仕事柄、文書(企画書、報告書、議事録)を大量に書かねば成らないことがあるだが、例文集の類は買う気になれない。 まず、オリジナルの企画書や報告書で例文集は役に立たないし、例文が欲しければネット上であれば無料で入手できるからである。 そこで、例文が役立たない文書はどうすればいいのよ、ということで見つけた本であるが、ずばりタイトルからして「文例集では書けない〜」と付けられているので、買ってしまった。 前半は文書が仕事の効率アップにいかに役立つかという内容だ…

Comments are closed.