トレーサビリティとは「考慮の対象となっているものの履歴、適用または所在を追従できること」とISO9001の「3・5・4」では定義づけされています。
この業界で言えば、いわゆるデジタルアセットの世代(バージョン)管理などがそれに含まれていて、最新のデータがどれであるのかが明確にされ、また何らかのミスが見つかった際に、どの日付の作業までは問題なかったのか、履歴を追跡できるよう管理されていることなどの管理に関する事柄です。
こうした点はプロジェクト時には先にルール化しておかないとクリエーターごとのルールが生じ(と言うよりルール化されていないことのほうが多いです)、何らかの問題が発生したときにはディレクターとしてはお手上げ状態、問題の箇所はゼロから作り直しと言うことになります。まだ手直しの出来る状態ならまだいいほうで、データを直接いじってしまって手直しできない状態になってしまっていることすらありえることです。
プロジェクトにおける世代管理、これは一人での作業であっても同様、リスク管理の点では重要度の高いことです。
こうした世代管理をどのようにして行うことが出来るでしょうか?
たとえばファイルやもしくはディレクトリごとにバージョンや日付を打っていくこと、オリジナルと派生を分けておくこと、世代バックアップを取ること、などを行うだけでもかなりそのリスクは軽減されるものです。